スマホの出張修理・訪問修理はなぜ違法なのか?
総務省登録修理業者が正直に解説します
【この記事の結論】
スマホの出張修理・訪問修理は、電波法が定める「総務省登録修理業者」の要件を実質的に満たすことができません。修理後の電波品質を証明できない環境での修理は、知らないうちにお客様を電波法違反のリスクにさらすことになります。当店がなぜ出張修理を行わないのか、その理由をすべてお話しします。
「出張修理します」の広告を見て、疑問を持ったことはありませんか?
SNSやフリマアプリで「どこでも出張修理します」「カフェや職場まで伺います」というスマホ修理業者の広告を目にすることがあります。一見すると便利なサービスに見えますが、スマートドクタープロは2009年の創業以来、一度も出張修理を行ったことがありません。
それは技術力の問題でも、人手の問題でもありません。法律と品質の問題です。
そもそも「総務省登録修理業者」とは何か
スマートフォンは電波を使って通信する「無線設備」です。電波法では、無線設備の修理を行う業者に対して、一定の要件を満たした上で総務省への登録を義務付けています。これが「登録修理業者制度(総務省)」です。
登録修理業者に求められる主な要件
- 修理を行う固定の施設(修理拠点)を持つこと
- 修理後に電波の同一性(修理前後で電波状態が変わっていないこと)を専用の測定設備で証明できること
- 使用する修理部品の品質管理体制を整備していること
- 個人情報の適切な管理体制を持つこと
- 上記を満たした施設で総務省の審査を通過していること
重要なのは「固定の施設」という要件です。登録修理業者は、審査を受けた特定の修理拠点で修理を行うことを前提としています。カフェ・駐車場・お客様の自宅・会議室など、審査を受けていない場所での修理は、この前提を根本から崩すことになります。
出張修理が「要件を満たせない」理由
出張修理業者が現場に持参できるのは、精々ドライバーと交換パーツ程度です。しかし登録修理業者として適法に修理を完了するためには、以下のものが不可欠です。
| 必要なもの | 出張現場で用意できるか | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 電波測定器(CMW500等) | ❌ 不可能 | 修理後の電波同一性を証明するため |
| RFシールドボックス | ❌ 不可能 | 外部電波の干渉を排除した測定環境のため |
| ISO9001準拠の品質管理環境 | ❌ 不可能 | 部品の品質・作業手順の管理のため |
| 個人情報管理体制 | ❌ 不可能 | お客様のデータを適切に管理するため |
これらのうち何一つとして、「カフェのテーブル」や「お客様の玄関先」で用意することはできません。出張修理を請け負うということは、これらの要件を無視して修理を行うということと同義です。
「電波の同一性証明」ができないことの意味
登録修理業者が負う最も重要な義務のひとつが、「修理前後で電波の状態が変わっていないことを証明する(工事設計合致義務)」です。
スマートフォンは技適(技術基準適合証明)を取得した状態で販売されています。修理後も同じ電波状態を保っていることを証明できなければ、技適の同一性が担保されません。つまり、電波測定ができない環境での修理は、修理後のスマホが電波法上の技術基準を満たしているかどうか、誰にも証明できないのです。
⚠️ お客様が知らないうちに電波法違反になるリスク
電波法第4条(e-Gov法令検索)は、技術基準に適合しない無線設備の使用を禁じています。出張修理で適切な電波確認が行われなかった場合、修理後のスマホが知らず知らずのうちに基準外の電波を発している可能性があります。その状態でスマホを使い続けることは、利用者自身が電波法に抵触するリスクをはらんでいます。業者ではなく、使用者であるお客様がリスクを負うという点が最も重大な問題です。
「登録業者です」と言いながら出張修理をする業者は?
中には「総務省登録修理業者です」と名乗りながら出張修理を行っている業者も存在します。しかしこれは矛盾しています。
登録修理業者の登録は「特定の施設(修理拠点)」に対して行われます。その施設以外の場所で修理を行うことは、登録の前提から外れた行為です。登録番号を持っていることと、その番号が適用される場所以外で修理を行うことは、まったく別の話です。
✅ 信頼できる修理業者を見分けるポイント
- 総務省に登録された固定の修理店舗を持っているか
- 修理後の電波測定結果を提示できるか
- 使用する部品の品質証明(PSEマーク等)があるか
- 「出張修理」を積極的に宣伝していないか
スマートドクタープロが出張修理をしない理由
当店は2009年の創業から17年間、一度も出張修理を行っていません。それは「面倒だから」でも「技術がないから」でもありません。
出張先では、お客様に安全な修理を提供できないからです。
スマートドクタープロ大阪心斎橋本店には、ローデ・シュワルツ社製CMW500(ワイドバンド無線機テスタ)とCMW-Z10 RFシールドボックスを常設し、修理後の電波測定を実施しています。これは高額な設備投資ですが、「お客様に適法・安全なスマホをお返しする」という最低限の責任を果たすために必要なことです。
できないことを「できる」と言わない。やらないことをきちんと説明する。それがスマートドクタープロの17年間の姿勢です。
よくある質問
- スマホの出張修理は違法ですか?
- 厳密には、電波法が定める「総務省登録修理業者」の登録要件を店舗外で満たすことは現実的に不可能です。登録には専用の設備(CMW500等の電波測定器・シールドボックス・ISO9001準拠の品質管理環境)を備えた固定の修理施設が必要であり、カフェや駐車場・お客様の自宅等での修理はこれらを満たせません。出張修理を行う業者の大半は、登録修理業者の要件を実質的に逸脱しています。
- 出張修理で修理してもらったスマホは電波法違反になりますか?
- 修理後の電波品質が適切に検証されていない場合、技術基準に適合していない無線設備を使用することになり、電波法違反のリスクがあります。利用者側が意図せず違反状態になる可能性があるという点で、非常に重大な問題です。
- なぜスマートドクタープロは出張修理をしないのですか?
- 当店が総務省登録修理業者(R000002 / T000002)として法令を遵守するためです。電波測定設備・品質管理環境・ISO9001準拠の施設を備えた店舗でなければ、修理後の電波同一性を証明することができません。できないことを「できる」と言わないことが、17年間の信頼の根拠です。
スマートドクタープロ 大阪心斎橋本店
- 住所: 〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋1-8-9 商都ビル1F
- 営業時間: 月〜金 11:00〜21:00 / 土日祝 10:00〜21:00(年中無休)
- 電話: 0120-960-690
- アクセス: 大阪メトロ「心斎橋駅」7番出口 徒歩約5分
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この記事の著者 スマートドクタープロ 編集部 2009年創業。日本初の総務大臣登録修理業者(T000002 / R000002)。ISO9001:2015認証取得(スマートフォンパーツ輸入・修理)。年間6万件以上の修理実績を持つApple製品・Android修理の専門家チームが、正確で信頼性の高い情報をお届けします。 |



























