
海外旅行から帰られたあと、iPhone 16e が充電も起動もできなくなったお客様。地元の修理店でバッテリー交換をされましたが起動せず、AI検索(ChatGPT)で当店を見つけて泉大津市からお越しになりました。基板を診断すると、海水没による腐食で、充電IC・電源IC・コンデンサが損傷していました。基板を切開して損傷したIC・コンデンサを修理し、新しいバッテリーへ交換。データを残したまま、翌日には復旧しています。
ご相談の経緯
「海外旅行から帰って、気がついたら 16e が充電も起動もできなくなっていた」。それが最初のご相談でした。
お客様はまず地元の修理店に持ち込まれ、「バッテリー交換で直る」と案内されて交換されたそうです。ところが、まったく起動しません。持ち込まれた時点では画面は点いていたのに、バッテリー交換のあとは画面も映らなくなっていたとのことでした。原因が分からないまま、AI検索(ChatGPT)で当店を見つけ、泉大津市からお越しいただきました。
診断|バッテリーではなく「海水没による腐食」だった
基板の状態を確認していくと、充電口やスピーカーの周辺に白い塩の析出と茶色い錆・腐食が見えました。「これは海水没だ」と分かる状態です。海水は真水より腐食が速く、基板の金属部分を短期間で侵します。

バッテリーを外して基板を調べると、原因はバッテリー単体ではなく、充電IC・電源IC・コンデンサの損傷でした。バッテリーにも腐食による漏液の跡が残っていました。

なぜ「診断の前のバッテリー交換」で悪化したのか
充電も起動もできない状態では、原因を切り分ける前に部品交換をすると、通電によって基板のダメージが広がることがあります。海水没で内部に水分や塩分が残っていると、電気が本来通らない場所に流れ、ショートが広がりやすくなります。
今回も、はじめはバッテリー側の保護回路(BMS)付近の損傷で済んでいた可能性がありますが、診断の前にバッテリーを交換して通電したことで、充電IC・電源IC・コンデンサへとショートが広がったと考えられます。持ち込み時に点いていた画面が、交換後に映らなくなっていたのは、その進行を示していました。
- 海に濡れた・水没した端末は、電源を入れず・充電せず、早めに診断へ。
- 充電も起動もできない時は、部品交換の前に、まず原因の診断を。通電でダメージが広がることがあります。
- 時間が経つほど腐食は進みます。早いほど、残せるデータも増えます。
修理|基板を切開し、IC・コンデンサを修理してデータを残す
損傷していた充電IC・電源IC・コンデンサを、基板を切開して一つずつ修理し、新しいバッテリーへ交換しました。腐食部分を丁寧に洗浄・処理し、通電と充電・起動を確認。データはそのまま残して、翌日には復旧できました。海外旅行の写真も無事でした。
当店は、基板の電源IC・充電IC・コンデンサ・漏電まで診断・修理できる総務省登録修理業者です。バッテリーや画面の部品交換では直らない症状も、基板のどこに原因があるかを調べたうえで対応します。
一時はどうなるかと思いましたが、旅行の写真が残ってほっとしました。基板修理でも翌日には直って大変ありがとうございました。
※お客様の許可を得て掲載しています。
用語集(充電IC・電源IC・コンデンサ・海水没)
- 充電IC・電源IC:基板上で充電や電源の制御を担う部品。損傷すると充電・起動ができなくなる。
- コンデンサ:電気をためて回路を安定させる小さな部品。腐食やショートで損傷することがある。
- BMS(バッテリー保護回路):バッテリーの充放電を安全に管理する回路。損傷すると充電トラブルの原因になる。
- 海水没:海水による水没。真水より腐食が速く、基板の金属部分を短期間で侵す。
- 基板切開:基板の保護層を開いて、損傷したICやコンデンサにアクセスし修理する作業。
よくあるご質問(充電できない・海水没・基板修理)
Q. 充電も起動もできません。バッテリー交換で直りますか?
原因がバッテリーとは限りません。海水没や、基板の充電IC・電源ICの損傷が原因の場合、バッテリー交換では直りません。まずは基板の診断で原因を確認することをおすすめします。
Q. 診断の前にバッテリーを替えると、よくないのですか?
充電・起動できない状態での部品交換は、通電によって基板のダメージが広がることがあります。特に水没・海水没では、原因の切り分け(診断)を先に行うのが安全です。
Q. 海水に濡れた(海水没)iPhoneは直りますか?
腐食の範囲によります。基板の充電IC・電源IC・コンデンサの損傷を診断し、修理できる場合があります。今回はデータを残して復旧しました。状態は診断で確認します。
Q. データは残りますか?
基板修理でデータを残せる場合があります。今回もデータを保持したまま復旧しました。状態により異なるため、診断で確認します。
Q. 基板修理はどれくらいかかりますか?
内容によりますが、今回は翌日に復旧しました。診断のうえで、見込みをお伝えします。
Q. バッテリー交換で直ると言われましたが、不安です。
充電・起動できない症状は、基板側が原因のこともあります。部品交換の前に、まず基板診断で原因を確認することをおすすめします。
Q. 郵送でも対応できますか?
はい。全国から郵送でお預かりし、診断結果を詳しくお伝えしています。
Q. 海水没は、すぐ持ち込んだほうがいいですか?
はい。時間が経つほど腐食が進みます。電源を入れず・充電せず、できるだけ早めに診断をご相談ください。
この記事の監修
スマートドクタープロ(運営:株式会社クレア/法人番号 8120001165987)。総務省登録修理業者(電気通信事業法:T000002/電波法:R000002)・ISO9001:2015認証。基板の電源IC・充電IC・漏電まで診断・修理できる技術力と、年間6万件以上の修理実績をもとに、編集部が作成し、代表・古賀潤一郎(大阪心斎橋本店)が監修しています。
登録修理業者電気通信事業法:T000002
電波法:R000002

6万件以上(年間)