修理事例・お客様の声

AQUOS R10 電源ボタンが効かない→起動不能|気づかぬ水没を基板修理で復旧【天王寺】

気づかないうちに水没していたAQUOS R10を、基板の洗浄・腐食処置と電源ボタン修理で復旧した事例|スマートドクタープロ大阪心斎橋
この事例の結論

天王寺からお越しの N・M様。ご相談は「電源ボタンが効かない」でした。ところがそのうち起動すらできなくなり、開封して初めて分かったのは——端末が水没していたということ。お客様ご自身に水没させた自覚はまったくありませんでした。内部では腐食が進行しており、基板の洗浄と腐食箇所の処置、そして電源ボタンの修理を行って復旧。データもそのまま戻り、お使いいただける状態でお返しできました。

ご相談の経緯──「電源ボタンが効かない」から始まった

最初の症状は、電源ボタンを押しても反応しないというものでした。画面は映る、充電もできる。ただ電源ボタンだけが効かない。この段階では、多くの方が「ボタンの部品が壊れたのだろう」と考えます。

ところがその後、端末そのものが起動しなくなりました。ボタン単体の不具合ではなく、内部でもっと広いことが起きている状態です。

N・M様はまずお近くの修理店へ持ち込まれました。そこでの回答は「1週間から3週間かかる」。すぐに直したいというご希望に対して、その修理店のスタッフの方が当店をご紹介くださり、天王寺からご来店いただきました。

診断──開封して初めて分かった「水没」

お預かりして分解したところ、内部に水が入った痕跡がありました。お客様は水没させた覚えがまったくないとのことでしたが、内部の状態がそれを示していました。

水没に気づかないまま使われていたAQUOS R10の外観。外側からは異常が見えない
お預かりした状態。外から見るかぎり、水没を疑う手がかりはありません。
AQUOS R10を分解した状態。本体側と取り外した背面カバー
分解した状態。背面カバーを開けて、初めて内部の状況が見える。

水没は、必ずしも「落とした」「濡らした」という記憶を伴いません。雨、汗、湿気の多い場所での使用、洗面所やキッチンでの水はね——本人に自覚のないまま少量の水が入り込み、時間をかけて内部を侵していくケースがあります。今回はまさにこの型でした。

腐食は「電源ボタンの周辺」から進んでいた

基板を覆うシールドを見ると、黄褐色に変色した腐食がはっきり残っていました。水に含まれる不純物が金属を侵し、乾いたあとも進行し続けた跡です。

AQUOS R10の基板シールドに広がった黄褐色の腐食痕。水没由来の侵食が進行している
基板を覆うシールドの腐食。この下で、電源ボタンにつながる回路が侵されていた。

電源ボタンは、基板上の回路とつながって初めて機能します。ボタンそのものではなくその先の回路が腐食で断たれれば、押しても反応しません。最初の症状が「電源ボタンが効かない」だったのは、腐食がその周辺から進んでいたためでした。

そして腐食は止まりません。放置するあいだに範囲が広がり、やがて起動そのものができないところまで到達した——これが今回の経過です。

なぜ「部品を替えるだけ」では直らないのか

「電源ボタンが効かない」という症状に対して、ボタン部品の交換で対応する修理店もあります。原因がボタン側にあるなら、それで直ります。

しかし今回のように原因が基板側の腐食である場合、ボタンを新品にしても症状は変わりません。必要なのは、基板を開けて腐食の範囲を特定し、洗浄して侵された箇所を処置する作業です。顕微鏡の下で行うこの作業は、部品交換とは必要な設備も技術も別のものです。

AQUOS R10のカメラ周辺と背面カバー内側。水没の影響が複数箇所に及んでいる
影響は一箇所にとどまらない。分解して初めて全体像がつかめる。

作業──洗浄・腐食処置・電源ボタンの修理

実施した作業
  • 分解と洗浄:内部に残った水分と不純物を除去。乾かすだけでは腐食は止まりません。
  • 基板の診断:顕微鏡とテスターで腐食の範囲と、通電できなくなっている箇所を特定。
  • 腐食箇所の処置:侵された部分を処置し、回路を通す。
  • 電源ボタンの修理:ボタンから基板までの経路を復旧させ、押して反応する状態に戻す。
AQUOS R10の基板を取り外した状態。サブ基板とメイン基板
基板を取り出したところ。ここまで開けて、初めて処置ができる。

基板修理・データ復旧はすべて自社ラボ内で完結します。外注に出せば、往復の輸送と作業待ちが預かり期間に加わります。その間も腐食は進みます。

結果──データもそのまま、使える状態でご返却

修理は問題なく完了し、電源ボタンは押して反応する状態に戻りました。端末内のデータもそのまま残った状態で、N・M様にお返ししています。

お客様の声(天王寺 N・M様)
  • 「口コミは大変助かりました。データも戻り、使えるようになって嬉しいです。

ただし、これは復旧できた事例です。腐食の進み方によっては、復旧できないこともあります。当店ではまず有償の基板診断(¥7,700・税込)で状態を確認し、お見積もりをご提示したうえで作業に進みます。直せないと判断した場合は、その旨を正直にお伝えします。

当店の修理現場から

現場の一言
  • 「水没させた覚えがない」水没は珍しくありません。本人の記憶に残らない量の水でも、内部では腐食が始まります。今回のように、最初は小さな症状として現れます。
  • 水没の修理は時間との勝負です。預かり期間が長いということは、その間ずっと腐食が進むということでもあります。当店が店内で完結させているのは、そのためです。
  • 当店はiPhoneだけでなくAQUOSをはじめとするandroid端末の基板修理に対応しています。
  • 当店は総務省登録修理業者(R000002/T000002)として、またISO 9001:2015認証のもと、2009年から心斎橋の店舗で修理を行っています。

水没かもしれない、と思ったら

すぐやること
  • 電源が入っていれば切る
  • SIMトレイを開けて水を出し、表面の水分を拭き取る
  • そのまま専門店へ。時間が経つほど腐食が進みます
やってはいけないこと
  • 充電する・電源を入れる。濡れた基板への通電はショートを起こし、損傷を広げます。
  • ドライヤーで乾かす。表面が乾いても内部の不純物は残り、腐食は止まりません。
  • 米びつ・乾燥剤で数日置く。時間の経過そのものが最大の敵です。
  • 「一部だけ動くから様子を見る」。今回のように、小さな症状が起動不能へ進むことがあります。

よくあるご質問(AQUOS・水没・電源ボタン)

Q. 水没させた覚えがないのに、水没と言われました。ありえますか?

あります。雨や汗、湿気の多い場所での使用、洗面所やキッチンでの水はねなど、記憶に残らない量の水でも内部に入り込むことがあります。本事例のお客様も、開封するまで水没にまったく気づいておられませんでした。

Q. AQUOSは防水なのに、なぜ水が入るのですか?

防水性能は、落下による歪みやパッキンの劣化、充電口まわりの摩耗などで低下します。新品時の性能が使い続けたあとも保たれているとは限りません。等級はあくまで試験条件下のものです。

Q. 電源ボタンが効きません。ボタンの交換で直りますか?

ボタン部品自体の不良なら交換で直ります。ただし本事例のように、基板側の回路が腐食で断たれている場合はボタンを新品にしても変わりません。どちらが原因かは分解して診断しないと分かりません。

Q. 電源ボタンだけの不具合を放っておくとどうなりますか?

原因が水没由来の腐食であれば、範囲が広がっていきます。本事例では、電源ボタンが効かない状態から起動そのものができない状態まで進みました。小さな症状のうちにご相談ください。

Q. 修理店で「1週間から3週間かかる」と言われました。普通ですか?

基板修理を店内で行わず外注する場合、往復の輸送と先方の作業待ちが預かり期間に加わるため、その程度になることがあります。当店は店内で完結させるため、その時間が発生しません。水没では、この差が結果に影響します。

Q. 起動しなくなったAQUOSから、データは取り出せますか?

端末内のデータは暗号化されているため、基板を動く状態に戻して起動させることが先になります。本事例では基板の処置により起動し、データもそのまま残っていました。損傷の程度によって結果は変わります。

Q. 診断にはいくらかかりますか?

基板診断は有償で、¥7,700・税込です。診断で損傷の状態を確認し、お見積もりをご提示したうえで作業に進みます。直せないと判断した場合は、その旨を正直にお伝えします。

Q. AQUOSの基板修理にも対応していますか?

対応しています。当店はiPhoneだけでなく、AQUOSをはじめとするandroid端末の基板修理を承っています。機種が新しいことを理由にお断りすることはありません。

Q. 天王寺から心斎橋まで持ち込む価値はありますか?

本事例のお客様は天王寺からご来店です。水没は時間との勝負のため、その日のうちに基板を開けて診断に入れるかどうかが結果を分けます。遠方の方には全国対応の郵送修理も承っています。

用語の解説(腐食・シールド・基板修理ほか)
  • 腐食:水に含まれる不純物が金属を侵していく現象。乾いても止まらず、時間とともに範囲が広がる。
  • シールド:基板を覆う金属のカバー。ノイズを遮る役割があり、水没時はここに腐食の跡が残りやすい。
  • 基板修理:部品の差し替えではなく、基板上の損傷箇所を特定して直す修理。顕微鏡とテスターを使う。
  • サブ基板:メイン基板とは別に置かれる小さな基板。充電口やボタン系の回路が載ることがある。
  • マイクロソルダリング:顕微鏡下で行うIC単位のはんだ作業。部品交換とは必要な設備も技術も異なる。
  • IP等級:防水・防塵の性能を示す等級。試験条件下の値であり、経年劣化や歪みによる低下は保証されない。

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この記事の監修
執筆:スマートドクタープロ編集部監修:古賀潤一郎(代表)

スマートドクタープロ(運営:株式会社クレア/法人番号 8120001165987)。総務省登録修理業者(電気通信事業法:T000002/電波法:R000002)・ISO9001:2015認証。基板の電源IC・充電IC・漏電まで診断・修理できる技術力と、年間6万件以上の修理実績をもとに、編集部が作成し、代表・古賀潤一郎(大阪心斎橋本店)が監修しています。

総務省
登録修理業者
電気通信事業法:T000002
電波法:R000002
ISO 9001:2015
年間修理実績
6万件以上
(年間)
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