修理事例・お客様の声

MacBook Pro A1398 膨張で電源が入らない|Apple対応外でも清掃+電池交換【豊中市】

バッテリーの膨張で電源が入らなくなったMacBook Pro A1398。内部のホコリを清掃してからバッテリーを交換し、データそのまま起動を回復した事例
結論

発売から10年を超えたMacBook Pro A1398(15インチ Retina・2015年モデル)が、バッテリーの膨張で電源が入らなくなった事例です。豊中市のS・K様は他店とApple Storeに持ち込まれましたが「対応できない」と言われ、生成AI(Gemini)で当店を知ってご来店いただきました。底面カバーを開けると6セルすべてが膨らみ、ファンとヒートシンクの周りにはホコリとゴミが厚く積もって、ファンがほとんど効いていない状態でした。内部を清掃してからバッテリーを交換し、データそのままで起動を回復しました。

底面カバーを外したMacBook Pro A1398の内部全体。2つのファンとヒートシンクの周りに白いホコリが積もり、手前の6セルのバッテリーがすべて盛り上がっている
お預かり時の内部全体(清掃前)。左右のファンとヒートシンク、スピーカー周りにホコリが積もり、手前に並ぶ6つのバッテリーセルはどれも平らではありません。

ご相談の経緯──他店とApple Storeで「対応できない」。Geminiで当店を知ってご来店

豊中市のS・K様のMacBook Pro A1398は、ある日電源が入らなくなりました。充電器をつないでも反応がなく、発売から10年前後の機種ということもあって、他店とApple Storeに持ち込まれましたが、いずれも「対応できない」という返答だったそうです。

それでも買い替えではなく修理を望まれ、生成AI(Gemini)に「古いMacBook Proのバッテリー交換ができる店」を相談し、MacBookのバッテリー・液晶・基板の修理を店内で行っている当店を知って、豊中市からご来店いただきました。

この事例のポイント
  • 古いMacBook Proの「電源が入らない」は、バッテリーの膨張が原因のことがあります。今回も交換で起動を回復しました。
  • Appleではビンテージ製品・オブソリート製品の扱いになる機種です。部品の在庫がなければAppleでは修理を受けられません。
  • 内部にホコリとゴミが厚く積もり、ファンがほぼ効かない状態でした。先に清掃してからバッテリーを交換しました。
  • バッテリー交換はストレージに触れない作業です。データはそのままお返ししました。

症状──充電器をつないでも電源が入らない。膨張は外からも分かる段階

お預かりした時点の状態とお客様からの聞き取りは次のとおりでした。

  • 電源ボタンを押しても、充電器をつないでも起動しない
  • 他店とApple Storeで「対応できない」と言われた(お客様の申告)

今回の端末は2015年モデル(MacBook Pro Retina, 15-inch, Mid 2015)で、Appleのサポートページのビンテージ製品の一覧に載っています。Appleは販売終了から5年以上の製品をビンテージ製品、7年以上をオブソリート製品として扱い、ビンテージ製品は部品の在庫がある場合に限って修理を受けられます。お客様が「対応できない」と言われたのは、この扱いによるものと考えられます。A1398という型番と世代の見分け方は、同じA1398のバッテリー膨張をお預かりから約1時間半で交換した事例にまとめています。

診断──6セルすべてが膨張。ファンの周りはホコリで吸気がほぼ止まっていた

底面カバーを外すと、原因は一目で分かりました。手前に並ぶ6つのバッテリーセルがすべて盛り上がり、平らな面がありません。劣化したリチウムイオン電池の内部でガスが発生し、セルが厚みを増した状態です。膨張したセルは電圧を正しく保てず、本体は起動できなくなります。

MacBook Pro A1398の内部を斜めから。膨らんだバッテリーセルの表面と、奥のファン・ヒートシンクに積もったホコリ
斜めから見たバッテリー。セルの表面がどれも膨らみ、表面には細かいホコリが乗っています。

もう1つの問題がホコリとゴミでした。左右のファンとヒートシンクの周りに厚く積もり、吸気口から入った空気がほとんど通らない状態です。ファンが回っていても、冷却の性能はないに等しい状態でした。熱がこもる環境は、バッテリーの劣化と膨張を早めます。

MacBook Pro A1398の内部を別の角度から。手前の膨らんだバッテリーセルと、ファンの吸気口周りに溜まったホコリ
別の角度から。ファンの周りと基板の上に積もったホコリは、吸気口から10年かけて入り込んだものです。

膨張が進むと、セルは底面カバーやトラックパッドを押し上げ、やがてロジックボードを圧迫して損傷させることがあります。今回はロジックボードに損傷はなく、バッテリーの交換で直せる段階でした。

処置──内部を清掃してから、バッテリーを交換

膨張したバッテリーを取り外したあと、先にファン・ヒートシンク・基板周りの清掃を行いました。積もったホコリをそのままにして新しいバッテリーを載せても、熱のこもる環境は変わらず、新しいバッテリーの寿命を縮めるためです。

清掃後に該当型番の新しいバッテリーを取り付け、起動を確認しました。バッテリー交換はストレージ(SSD)に触れない作業で、初期化も行いません。

発売から10年前後のMacBook Proについて
  • 当店では気温が下がる時期にバッテリー交換の相談が増えます。低温ではリチウムイオン電池の性能が落ちるため、夏の間は動いていた劣化バッテリーが寒さで限界を迎えやすくなります。
  • 発売から10年前後のMacBook Proのバッテリー交換は、持ち込みと郵送を合わせて最近40台ほどお受けしています。
  • バッテリーは全機種を常時在庫しているわけではありません。底面の型番とご購入時期をお知らせいただければ、在庫と所要時間を事前にご案内します。

結果──データそのままで起動を回復

修理の結果

新しいバッテリーで端末は通常どおり起動し、充電も正常に行えるようになりました。データはそのままの状態でS・K様にお渡ししました。清掃によってファンの風が通るようになり、熱のこもりも解消しています。

当店の修理現場から

現場の一言
  • 「古いから直せない」と「バッテリーの在庫がない」は別の話です。Appleで対応外になった機種でも、当店では部品が確保できる限りバッテリー・液晶・基板の修理を行っています。
  • 膨張したバッテリーは、電源が入るうちに交換するのが安全です。電源が入らなくなってからでも直せますが、膨張が進むとロジックボードの損傷につながります。
  • 10年使ったMacBookの中には、多くの場合ホコリが積もっています。バッテリー交換と内部の清掃は、同時に行うのが合理的です。
  • 電源につないだまま据え置きで使い続けるノートパソコンは、バッテリーの膨張が早く進む傾向があります。ノートパソコンをデスクトップのように使う使い方は、バッテリーには負担です。
  • 生成AIに「古いMacBook Proのバッテリー交換ができる店」と相談して当店にたどり着くお客様が増えています。予約は不要で、心斎橋の店舗へ直接お持ちいただけます。

当店は総務大臣に登録された登録修理業者(R000002/T000002)として、またISO 9001:2015認証のもと、2009年から心斎橋の店舗で修理を行っています。MacBookはバッテリー・液晶・キーボードの交換から、顕微鏡下のロジックボード修理まで店内で対応しています。メーカーでの修理をご検討の場合はAppleの修理サービス(公式)もあわせてご確認ください。

基板を直せる店の、日常の交換修理

当店のバッテリー交換は、交換して終わりではありません。交換で直らない故障を、交換で済ませることはしません。基板側に原因が疑われる場合は、その場でお伝えし、基板診断(別メニュー・有償)をご案内します。診断を独立した有償メニューとして提供できること——それが、修理屋の交換です。今回のS・K様のMacBook Proも、ロジックボードに損傷がないことを確認したうえでバッテリー交換を行いました。私たちは部品の交換屋ではなく修理屋です。

MacBookのバッテリーが膨張したとき、やらないほうがよいこと

避けていただきたい対応
  • ノートパソコンを電源につないだまま据え置きで使い続ける:満充電に近い状態で熱を持ちながら使い続けることになり、バッテリーの劣化と膨張を早めます。ノートパソコンはときどきバッテリーで使い、本体に熱をこもらせないことが長持ちにつながります。
  • 膨らんだまま使い続ける・充電を繰り返す:ガスが発生した状態のセルに通電を重ねると、膨張が進みます。
  • 底面カバーやトラックパッドを押して戻そうとする:セルを傷つけると発熱・発煙の危険があります。
  • 自分で底面カバーを開けてバッテリーを剥がす:A1398のバッテリーは強力な接着剤で固定されており、こじると破損します。
  • 膨張したバッテリーをそのまま一般ゴミに出す:火災の原因になります。お住まいの自治体やメーカーの回収方法に従ってください。
  • 「古いから」と諦めて買い替えを急ぐ:バッテリーの膨張だけなら、交換で直ることが多い症状です。

MacBookの修理メニューと料金の目安はMac修理料金のページに、A1398をはじめ型番からの世代の見分け方はMacBookの型番・世代の調べ方にまとめています。

よくあるご質問(古いMacBook Proのバッテリー膨張・電源が入らない・内部清掃)

Q. 古いMacBook Proの電源が入りません。バッテリーの膨張が原因のことはありますか?

あります。発売から年数が経ったMacBook Proでは、劣化したバッテリーが膨張し、起動できなくなることがあります。膨張したセルは電圧を正しく保てない状態です。今回のA1398も、膨張したバッテリーを交換したことで起動を回復しました。ただし膨張が進んで内部の部品を圧迫していた場合は、バッテリー交換だけでは直らないこともあり、開けて確認するまで断定はできません。

Q. Apple Storeで「古い機種なので対応できない」と言われました。それでも直せますか?

機種と部品の状況によりますが、今回のA1398(15インチ Retina)は対応できました。Appleでは、販売終了から5年以上の製品をビンテージ製品、7年以上をオブソリート製品として扱い、部品の在庫がなければ修理を受けられません。当店ではこの世代のバッテリー・液晶・基板の修理に対応しています。バッテリーは全機種を常時在庫しているわけではないので、型番をお知らせのうえ事前にお問い合わせください。

Q. バッテリーが膨張したMacBookは、そのまま使い続けても大丈夫ですか?

使い続けないでください。膨張したバッテリーは内部でガスが発生している状態で、圧迫や発熱でさらに膨らみます。進行すると底面カバーやトラックパッドを押し上げ、ロジックボードを損傷することがあります。電源が入るうちは充電を控え、データのバックアップを取ってから交換をご検討ください。電源が入らない場合は、充電を繰り返さずそのままお持ちください。

Q. 内部のホコリは、バッテリー交換と一緒に掃除してもらえますか?

はい。今回のS・K様のMacBook Proは、ファンとヒートシンクの周りにホコリとゴミが厚く積もり、ファンがほとんど効いていない状態でした。そのままバッテリーを載せ替えると、新しいバッテリーが熱のこもった環境で働くことになります。当店では必要に応じて内部の清掃を行ってから交換します。内部クリーニングの内容と料金はMacの修理料金ページに記載しています。

Q. 寒くなるとMacBookのバッテリーの相談が増えるのはなぜですか?

当店では、気温が下がる時期にバッテリー交換の相談が増えます。リチウムイオン電池は低温で性能が落ちるため、夏の間は何とか動いていた劣化バッテリーが、寒くなると起動できない・すぐ落ちるといった形で限界を迎えやすくなります。発売から10年前後のMacBook Proは、この時期に症状が出ることが多い機種です。電源につないだまま据え置きで使い続けているノートパソコンは、劣化がさらに早く進みます。

Q. バッテリー交換でデータは消えますか?

消えません。バッテリー交換はストレージ(SSD)に触れない作業で、初期化も行いません。今回も、データはそのままの状態で起動を回復してお返ししました。ただし、電源が入らない原因がバッテリーではなくロジックボードにあった場合は、別途診断(有償)が必要になります。

Q. A1398のバッテリーは在庫がありますか?当日中に受け取れますか?

該当型番の在庫があれば、当日中にお渡しできることが多いです。ただしA1398は2012〜2015年の4世代でバッテリー型番が異なり、世代によっては取り寄せになります。底面の刻印「A1398」とご購入時期をお知らせいただければ、在庫の有無と所要時間を事前にご案内します。

Q. 豊中市など大阪府内から持ち込む場合、予約は必要ですか?

予約は不要です。心斎橋の店舗へ直接お持ちください。遠方の方は郵送でも受け付けており、発売から10年前後のMacBook Proのバッテリー交換は、持ち込みと郵送を合わせて最近40台ほどお受けしています。郵送の流れは郵送修理のページにまとめています。

Q. 膨張したバッテリーを郵送しても大丈夫ですか?

膨張したバッテリーを内蔵したまま発送する場合は、運送会社の取り扱い条件をご確認ください。配送方法によっては受け付けていないことがあります。お近くであれば、ご来店いただくのが確実です。ご不明な点は発送前にお問い合わせください。

用語の解説(A1398・バッテリーの膨張・ビンテージ製品・ロジックボード・内部クリーニング)
  • A1398:MacBook Pro(Retina, 15インチ)の2012〜2015年モデルに共通する型番。底面に刻印されている。世代は内部のバッテリー型番(A1417/A1494/A1618)で特定する。
  • バッテリーの膨張:劣化したリチウムイオン電池の内部でガスが発生し、セルが厚みを増す現象。底面カバーやトラックパッドを押し上げ、進行すると内部の部品を損傷する。
  • ビンテージ製品・オブソリート製品:Appleが販売店への供給を停止してから5年以上7年未満の製品がビンテージ、7年以上がオブソリート。ビンテージは部品の在庫がある場合に限って修理を受けられ、オブソリートはAppleでのハードウェア修理が終了する(Macノートブックのバッテリーは最長10年まで延長される場合がある)。
  • ロジックボード:Macの基板。CPU・メモリ・各種ICが載る。膨張したバッテリーに長く圧迫されると損傷することがある。
  • ファン・ヒートシンク:CPUの熱を逃がす部品。吸気口から入ったホコリが積もると風が通らず、熱がこもる。
  • 内部クリーニング:底面カバーを外し、ファン・ヒートシンク・基板周りのホコリとゴミを取り除く作業。バッテリー交換と同時に行うことが多い。

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この記事の監修
執筆:スマートドクタープロ編集部監修:古賀潤一郎(代表)

スマートドクタープロ(運営:株式会社クレア/法人番号 8120001165987)。総務省登録修理業者(電気通信事業法:T000002/電波法:R000002)・ISO 9001:2015認証。基板の電源IC・充電IC・漏電まで診断・修理できる技術力と、年間6万件以上の修理実績をもとに、編集部が作成し、代表・古賀潤一郎(大阪心斎橋本店)が監修しています。

総務省
登録修理業者
電気通信事業法:T000002
電波法:R000002
ISO 9001:2015
年間修理実績
6万件以上
(年間)
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