修理事例・お客様の声

iPhone 16 Pro 海水没からデータ復旧成功【後編】CPU・NANDの基板載せ替えで写真もLINEも全部戻した修理事例|大阪・心斎橋

海水没したiPhone 16 Proを基板CPU・NAND載せ替えでデータ復旧した修理事例【後編】|スマートドクタープロ大阪心斎橋本店
後編・結末

前編で海水没し、充電による発熱で完全に起動しなくなったiPhone 16 Pro。分解して診断すると、海水の塩分腐食が積層基板(多層プリント基板)の内部回路にまで達し、内部でショートしていました。これは通常の基板修理では戻せない、最も難しい状態です。そこで最後の切り札——健康なドナー基板を用意し、CPU・NANDメモリ・その他IC群をすべて載せ替える(移植する)高難度修理を実施。ヒートシンクまで組み上げて基板を復元し、専用ジグでの起動チェックでデータの生存を確認。写真もLINEも、大切なデータはすべて戻りました。外装(ボタン・充電口・パネル・センサー)は全滅していたため、費用を抑える「データ救出優先の最低限修理」をご提案。「もう諦めるしかない」と思っていた20代女性 MY様に、大変喜んでいただけた成功事例です。

左=海水没で腐食・ショートしたiPhone 16 Proのお客様基板、右=CPU・NAND載せ替え完了後の基板(データ復旧 後編)
写真A:左=お客様の海水没基板(腐食・ショート)/右=チップ載せ替えを完了した基板。赤丸部の損傷から健康な基板へ移植しました。

1.前編のおさらい――海水没+充電で「起動不能」に

前編のMY様のiPhone 16 Proは、海で水没した翌日、電源が入らず充電器を差したところ発熱し、完全に起動しなくなった状態でお預かりしました。海水没は塩分腐食が桁違いに速く、通電(充電)がとどめの一手になります。「データを完全に取り戻してほしい」というご希望のもと、まず特殊洗浄から着手した——そこまでが前編でした。

ここからが後編、本当の勝負です。

2.診断結果――積層基板の“内部回路”までショート=通常修理では不可能

洗浄後にあらためて精密診断を行うと、被害は表面だけではありませんでした。海水の腐食が積層基板(何層にも回路を重ねた多層基板)の内部にまで進行し、層の内側でショートしていたのです。表面のチップやコネクタを直すだけでは、内部で短絡した回路は戻せません。基板そのものが再生困難——これは基板修理の中でも最も厳しい状態です。

データ復旧業者の広告に表示される「復旧率」の分母・分子の定義と、暗号化スマホで「部分復旧」が構造上起こらない理由は、データ復旧率のカラクリで一次資料つきで解説しています。

ですが、ここで諦めません。データが入っているチップ自体が生きていれば、まだ手はあります。

海水の塩分腐食で積層基板の内部回路までショートしたiPhone 16 Proの基板。赤丸は損傷したIC(データ復旧 後編)
写真B:海水の腐食は積層基板の内部回路にまで到達。赤丸のIC周辺を含め、広範囲でショートが起きていました。

3.最後の切り札「基板載せ替え」――CPU・NAND・IC群を健康な基板へ移植

とった方針は基板載せ替え(チップ移植)健康なドナー基板を用意し、データと動作に不可欠なCPU・NANDメモリ・その他のIC群を、元の基板から取り外して健康な基板へすべて移植しました(写真Cの赤丸部)。顕微鏡下でチップ裏の微細なはんだを再形成して載せ替える、対応できる店が限られる高難度作業です。

すべての載せ替えを終えたらヒートシンク(放熱部品)まで組み上げて基板を復元し、基板修理は完了です。

健康なドナー基板へCPU・NANDメモリ・IC群を移植するiPhone 16 Proの基板載せ替え(データ復旧 後編)
写真C:左=お客様基板/中央=移植途中のドナー基板(赤丸=CPU・NAND・IC載せ替え部)/右=完成基板。

用語の解説

積層基板(多層プリント基板)

スマホの基板は、配線を何層にも重ねて内部に通した多層構造です。海水の塩分腐食がこの内部の層にまで進むと、表面からは直せない場所でショートします。今回がこのケースで、基板そのものの再生が難しく、載せ替えを選択しました。

基板載せ替え(チップ移植・リボール)

基板本体が腐食・焼損で再生困難なとき、CPU・NANDなどの主要チップを取り外し、同型の健康な基板へ移植する技術です。チップ裏の微細なはんだボールを再形成(リボール)して載せ替えます。基板が使えなくてもデータを救い出せる可能性が残る、最後の切り札です。

NANDメモリ/CPU(データと頭脳)

NANDメモリは写真・連絡先・LINEなどデータそのものが記録されるチップ。CPUはその頭脳で、データの暗号処理にも関わります。iPhoneは端末内でデータを暗号化しているため、NANDだけ取り出しても読めず、CPUとセットで正しく動く状態に戻す必要があります。だから両方を一緒に載せ替えます。

起動チェック(専用ジグ)・ヒートシンク

ヒートシンクは基板の放熱部品です。載せ替え後は基板を専用ジグ(治具)に載せて起動チェックを行い、正しく立ち上がるか・データが生存しているかを確認します。ここで写真やLINEのデータが読み出せることを確認できて、はじめて「復旧成功」と言えます。

4.運命の瞬間――起動チェックで「データは生きていた」

復元した基板を専用ジグに載せて起動チェック。無事に立ち上がり、そしてデータが残っていることを確認できました。写真も、LINEのトーク履歴も、大切なデータはすべて生きていました。

なお、キャリアのデータ復旧サービスに出した端末は、ドコモ・au・ソフトバンクの3社とも復旧の成否にかかわらず返却されません(各社公式資料に明記)。当店にご相談いただく前にキャリアを検討中の方は、先にこちらをご覧ください → キャリアの「データ復旧」に出す前に

海水没・積層基板の内部ショートという最悪の状態からの復旧。前編で「果たしてデータは戻るのか」とお伝えした問いへの答えは——戻りました

この事例のポイント(後編・成功)
  • 海水の腐食が積層基板の内部回路までショート=通常の基板修理では復旧不可能
  • CPU・NAND・IC群を健康な基板へ全載せ替えし、起動チェックでデータ生存を確認
  • 写真・LINEを含む全データを復旧(データそのままの救出)
  • 外装全滅のため、費用を抑えるデータ救出優先の最低限修理をご提案

5.外装は全滅――だから「データを守るための最低限修理」をご提案

基板は復元できましたが、海水没の衝撃と腐食でボタン・充電口・フロントパネル・バックパネル・各種センサーは全滅していました。これらをすべて新品同様に直すと、当然費用は大きくなります。

そこで当店は、MY様と相談しながら「データをバックアップできる状態まで戻す」ことを最優先し、費用を抑える最低限の修理をご提案しました。目的はデータの救出。取り出したデータは新しい端末へ移してお使いいただくのが、いちばん安心で無駄のない選び方です。

なお、iPhone 16 Proは新しい機種のため、ご用意するドナー基板も高価になります。その点も事前にご説明し、ご了承いただいたうえでの作業となりました。勝手に高額作業を進めることはありません。

6.今回の修理のまとめ

お客様20代女性 MY様(AI検索でご来店)
機種iPhone 16 Pro
ご相談内容海水没(前編:充電で発熱・起動不能)。費用がかかってもデータを完全に取り戻したい
診断塩分腐食が積層基板の内部回路までショート=通常修理では復旧不可能
作業特殊洗浄 → 健康なドナー基板へCPU・NANDメモリ・IC群を全載せ替え → ヒートシンク組立 → 専用ジグで起動チェック
結果データ生存を確認・写真もLINEも全復旧。外装全滅のため費用を抑えた最低限修理でデータ救出を優先

7.今回の体験者「20代女性 MY様の感想」

【MY様|iPhone 16 Pro 海水没・基板載せ替えでデータ復旧後の感想】

もうデータを諦めてしまうことしかないと思っていましたが、写真やLINEのデータも全て戻りました。

お時間もかかったと思いますが、本当にありがとうございました。

※掲載許諾済み。感想はご提供いただいた事実の範囲で記載しています。

8.海水没でも、諦めないでください

今回のように、積層基板の内部までショートした重度の海水没でも、データを取り戻せる可能性はあります。鍵は2つ。ひとつは通電しないこと(充電・電源オンはショートを広げるとどめの一手)。もうひとつは一刻も早く相談すること(塩分腐食は待つほど進みます)。

「他店でデータは無理と言われた」「もう諦めるしかない」——そう思ったときこそ、基板修理・載せ替えまで対応する専門店に一度ご相談ください。

9.よくあるご質問

Q. 海水没で基板の中までショートしても、データは戻りますか?

可能性はあります。今回のように積層基板の内部までショートしていても、データを持つNANDメモリと頭脳のCPUが生きていれば、健康な基板への載せ替え(移植)でデータを救い出せることがあります。基板本体が再生困難でも諦めず、まずはご相談ください。可否は診断しないと分かりません。

Q. 「基板載せ替え」とは何ですか?普通の修理と違うのですか?

焼損・腐食で基板そのものが直せないとき、CPU・NANDなどの主要チップを取り外し、同型の健康な基板へ移植する高難度修理です。顕微鏡下でのマイクロはんだ付け・リボールを伴い、対応できる店は限られます。基板が使えなくてもデータを救える、最後の切り札です。

Q. データ復旧できる確率は何%ですか?

診断の前に確率をお答えすることはできません。残せるかどうかは、腐食や焼損がデータを持つNANDや頭脳のCPUにどこまで及んでいるかで決まる「残せる/残せない」の二択だからです。事前に高い確率を口にするお店より、診断してからお伝えするお店をお選びください。詳しくはデータ復旧の考え方をご覧ください。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?載せ替えは高いと聞きました。

基板載せ替えは高難度で、ドナー基板の費用もかかります。とくにiPhone 16 Proのような新しい機種はドナー基板が高価です。ただし診断のうえ、必ず事前にお見積り・ご説明してから作業します。今回のようにデータ救出を優先し、外装は最低限に留めて費用を抑えるご提案も可能です。ご了承いただいてから進めます。

Q. データだけ取り出して、修理は最低限にできますか?

はい。「データをバックアップできる状態まで戻す」ことを目的に、外装などの修理を最低限に抑えるご提案が可能です。取り出したデータは新しい端末へ移してお使いいただくのが、費用面でも安心です。ご予算やご希望に合わせて方針をご相談ください。

Q. 電源が入らない・充電すると熱くなる状態でも見てもらえますか?

はい。海水没で電源が入らない・充電すると発熱する状態は、これ以上通電せずにお持ち込みください(通電はショートを広げます)。診断のうえ、洗浄・基板修理・載せ替えのいずれで復旧を目指せるか、可否と方針を正直にお伝えします。

Q. 遠方ですが郵送で海水没の修理を頼めますか?

はい、全国から郵送修理を承っています。海水没は時間が勝負のため、電源を入れず、できるだけ早く発送してください。到着後すぐ診断し、可否と方針・お見積りをご連絡します。梱包・発送方法もご案内します。

Q. 他店やメーカーで「海水没はデータ無理」と言われました。

海水没からのデータ復旧は、塩分腐食の除去や焼損した基板のチップ単位の修理・載せ替えに対応できる店が限られます。当店は基板修理・データ復旧・水没洗浄・チップ載せ替えを専門に扱い、他店で断られた端末のご相談も多数いただいています。諦める前に一度ご相談ください。

※本記事は実際の修理事例です。データ復旧の可否は端末の損傷状態によって異なり、同様の症状でも復旧を約束するものではありません。まずは診断(診断料7,700円(税込)、iPad Proは12,980円(税込))で状態をお確かめください。

海・プールで水没した/充電したら発熱した/他店でデータは無理と言われた

海水没・基板修理・チップ載せ替えのデータ復旧は「スマートドクタープロ 大阪・心斎橋本店」へ(郵送も全国対応)

0120-960-690

月〜金 11:00〜21:00/土日祝 10:00〜21:00(年中無休)

料金について

海水没修理は、分解・特殊洗浄・乾燥の基本作業に加え、腐食・焼損の範囲に応じて基板修理やチップ載せ替え(ドナー基板費用を含む)が加わります。新しい機種はドナー基板が高価になりますが、診断のうえ、事前にお見積り・ご説明してから承ります。データ救出を優先し外装は最低限に抑えるなど、ご予算に合わせた方針もご相談いただけます。電話・店頭での簡単なご相談・料金目安のご案内は無料です。

内容料金(税込)対応
水没・分解特殊洗浄・乾燥(基本作業)7,700円〜店頭・郵送
基板修理・CPU/NAND載せ替え・データ復旧状態により診断のうえお見積り診断のうえご提示

最新の修理料金一覧はこちら

この記事の監修
執筆:スマートドクタープロ編集部監修:古賀潤一郎(代表)

スマートドクタープロ(運営:株式会社クレア/法人番号 8120001165987)。総務省登録修理業者(電気通信事業法:T000002/電波法:R000002)・ISO9001:2015認証。基板の電源IC・充電IC・漏電まで診断・修理できる技術力と、年間6万件以上の修理実績をもとに、編集部が作成し、代表・古賀潤一郎(大阪心斎橋本店)が監修しています。

総務省
登録修理業者
電気通信事業法:T000002
電波法:R000002
ISO 9001:2015
年間修理実績
6万件以上
(年間)
掲載情報は公開日時点の内容です。Appleの仕様変更・iOSアップデート・法令改正などに応じて、技術品質管理室が定期的に内容を見直し・更新しています。