修理事例・お客様の声

ネットで買ったiPhone 15 Pro Maxが改造品だった|使い続けると買った人が電波法違反になります【大阪】

改造済みiPhone 15 Pro Maxの修理お断り事例のアイキャッチ
結論(修理できなかった正直な事例です)

iPhone 15 Pro Maxのバッテリー交換でお預かりしましたが、分解すると本来と逆の右側にSIMトレイが設けられた改造品でした。当店ではこの端末の修理をお断りしています。理由は2つ。ひとつはすでに第三者の手が入っており、当店の登録修理(総務大臣登録修理業者 R000002)の対象にできないという制度上の理由。もうひとつは、改造で技適の効力が確認できない端末を電波を発する状態で使い続けると、使っている本人が電波法に抵触するおそれがあるという、使用者側のリスクです。さらにこの端末は、SIMを後付けするスペースを作るためにバッテリーが切り欠かれており、交換するには新品も同じように切る必要があるため、安全に交換できません。お客様にはお電話で説明し、ご了承いただいています。お客様は「ネットで買ったものは信用できない」とおっしゃっていました。同じ思いをする方を減らすため、正直に記録します。

iPhone 15 Pro Max内部。赤丸が後付けのSIM改造基板(iSPM)
写真:お預かりしたiPhone 15 Pro Maxの内部。赤い丸が、本来ないはずの後付けSIM改造基板(iSPM)です。各部品が純正の組み合わせでなく、寄せ集めで組まれていました。

1.ご依頼|「バッテリー交換」で開けてみたら…

最初のご依頼は、ごく普通の「iPhone 15 Pro Maxのバッテリー交換」でした。ところが分解して内部を確認すると、様子が明らかにおかしい。純正でも、正規の海外モデルでもない、あちこちに手が加えられた“寄せ集め”の端末だったのです。

当店では日々たくさんのiPhoneを分解しますが、ここまで各部が別々の部品で組み替えられ、取り付けも雑な端末は多くありません。まさに「フランケンシュタイン」——複数の個体の部品をつぎはぎしたような状態でした。

2.改造の証拠|SIMトレイが「右側」=正規には存在しないモデル

いちばん決定的だったのがSIMトレイの位置です。分解して確認したところ、本来と逆の右側にSIMトレイが設けられていました。iPhone 15 Pro Maxに、右側にSIMトレイを持つ正規モデルは、世界のどこにも存在しません。フレームを加工し、SIM機構を後付けした改造品であることが、この一点で分かります。

写真1枚でできる見分け方

iPhoneのSIMトレイの位置は、機種によって決まっています。

  • iPhone 12・13・14・15・16(16e含む)=左側(音量ボタン側)
  • iPhone 4〜11、およびSE第1〜第3世代=右側(SEはiPhone 8の本体を使っているため、発売が新しくても右側です)
  • iPhone 17シリーズ=物理SIMトレイそのものがありません
  • 米国で購入したiPhone 14以降=eSIM専用で、物理SIMトレイがありません

iPhone 15 Pro Maxは、どの国の正規モデルでも左側です。出品写真に側面が写っていれば、買う前に確認できます。右側にSIMトレイがある15 Pro Maxは、正規には存在しません。

後付けされたSIM改造基板(iSPM)のクローズアップ(赤丸)
写真:赤い丸が、SIMまわりに後付けされたSIM改造基板(iSPM)。純正のiPhoneには存在しない部品です。

SIMトレイの位置に加え、基板まわりの各部の取り付けも雑で、部品の組み合わせもちぐはぐ。防水・防塵処理や固定テープの貼り方も、正規の作業とはかけ離れていました。

改造iPhoneの基板まわり。雑な部品の取り付けとテープ処理
写真:基板まわり。テープの貼り方や部品の組み合わせが雑で、正規の組み立てとは大きく異なります。

3.この端末を使うと、買った人が違法になります

電波法は、電波を出した人の責任を問う法律です。改造したメーカーでも、売った出品者でもなく、実際に電波を出している人が問われます。ここが、ほとんどの方に知られていません。

技適(技術基準適合証明)は、メーカーが総務省に届け出た工事設計どおりに作られていることを前提に与えられるものです。そして、登録修理業者以外が「変更の工事」にあたる改造を行った端末は、技適マークの表示を取り除くことが定められています(電波法第38条の7)。今回の端末のように、フレームに手を加え、本来ない基板を後付けし、SIM機構を別の位置に移した端末は、この工事設計と合致していません。本体に技適マークが残っていたとしても、その表示は実態を伴っていません。

改造端末を使うとどうなるか
  • 技適の効力が確認できない端末は、免許なしで電波を出してよい機器ではなくなります
  • 日本にお住まいの方が日常的に使う場合、その状態で使えば免許を受けずに無線局を開設・運用したことになり得ます
  • 無免許開設の罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)
  • 問われるのは、改造した人でも売った人でもなく、使っている人です

知らずに買った方を責めているのではありません。ただ、電波を出している主体は使用者である——これが法律の建て付けです。売った相手がどれだけ悪くても、あなたの代わりに罰を受けてはくれません

だから、買う前に確認していただきたいのです。そして、すでにお持ちの端末に不安があるなら、使い続ける前に一度診断を受けてください

4.当店が「登録修理」として扱えない端末です

当店は総務大臣登録修理業者(登録番号 R000002/T000002)です。この登録に基づく修理として扱えるのは、当店が、登録に係る修理方法・登録に係る部品で修理した端末に限られます。

技術基準への適合は、修理のたびに登録修理業者が自ら確認し、表示を付すことで成立するものです(電波法第38条の44第3項)。一度どこかで与えられた適合が、端末に永続的に付いて回るわけではありません。

今回、制度上お受けできない理由
  • すでに第三者の手が入っており、工事設計との合致が確認できない
  • 当店が最初に手を入れた端末ではないため、当店の登録修理の対象にならない
  • したがって登録修理業者としての表示を付すことができない
  • → 安全性以前に、制度上お受けできない

「危ないからお断りした」だけではありません。制度の枠組みとして、この端末は当店の登録修理の対象外です。これが今回の結論です。詳しくは電波法と登録修理業者制度についてをご覧ください。

5.バッテリーが切り欠かれていました

今回、修理をお受けできなかった最大の理由は、バッテリーそのものが切り欠かれていたことです。

iPhone 15 Pro Maxは、本体の左側をロジックボード(基板)が占めています。そのため、後付けでSIM機構を入れられる場所は右側しかありません。そして右側は、バッテリーが入っている場所です。

つまり——SIMを後付けするために、バッテリーを削って場所を作っている。SIMトレイが逆側にあることと、バッテリーが改造されていることは、別々の異常ではありません。同じ一つの改造の、避けられない結果です。

なぜ交換できないのか

この端末に新しいバッテリーを入れるには、その新しいバッテリーを、同じように切り欠かなければなりません

リチウムイオン電池を切るということは、密閉された電池の中身を開けるということです。内部の絶縁が傷つけば発火し、外装が破れれば中の液が空気と反応します。安全のために設けられた構造も壊れます。

これは「良い部品か悪い部品か」の話ではありません。どんなバッテリーを使っても、切った時点で危険になります。だから当店は行いません。

そしてお客様は、切り欠かれたリチウムイオン電池を、毎日ポケットに入れて持ち歩いていたことになります。

6.「海外用のiPhone」という売り文句にご注意ください

この種の改造端末は、「海外用のiPhone」「海外モデル」という説明で、相場より安く売られていることがあります。

正規の海外モデル(香港・シンガポールなど)は実際に存在しますので、その説明そのものが偽とは限りません。問題は、その中に改造品が混ざっていることです。外観だけでは区別がつきません。

なぜこんな改造が行われるのか

米国で販売されたiPhone 14以降はeSIM専用で、物理SIMトレイがありません。そのままでは物理SIMを使う国では売りにくく、中古市場では安く流通します。

そこで海外の改造業者が、本体を加工して物理SIMを後付けする改造を請け負っています。深圳の修理業者では8,000円程度で行われているとされます。

安く仕入れて、改造して、日本で売る。そのために削られているのが、バッテリーです。

「海外用」と書かれた iPhone 15 Pro Max の見分け方
  • SIMトレイが左側 → 正規の海外モデルの可能性
  • SIMトレイが右側改造品です(正規には存在しません)
  • SIMトレイがない → 米国版(eSIM専用)の正規品

「海外用と書いてあって、SIMトレイが右側」。これだけ覚えてください。

なお、米国でも、認証を受けた無線機器を改造することは認められていません。「海外では普通にやっていること」ではありません。

この端末には、技適がありませんでした

iPhoneの技適(技術基準適合証明)は、本体の設定画面(設定>一般>情報>認証)に表示されます。この端末の認証表示を確認したところ、技適マークはありませんでした。

日本向けに販売されたiPhoneには技適があります。この端末は、日本向けに販売されたものではありません。改造で失われたのではなく、はじめから無いのです。

日本にお住まいの方が日常的に使う場合、技適のない端末で電波を出せば、免許を受けずに無線局を開設したことになります。そして問われるのは、使っている人です。

火が出ても、責任を取る相手がいません

製品の安全について責任を負うのは、製造した事業者・輸入した事業者・販売した事業者です。製造物責任法(PL法)でも同じです。

ただしこれは、相手が「事業者」である場合の話です。フリマアプリやオークションで個人から買った場合、売った相手はそのどれにも当たりません。

発火しても、損害を請求する相手がいない。電波法でも同じです。個人売買では、リスクはすべて買った人に落ちます。

すでに中古のiPhoneをお使いで中身が不安な方は、使い続ける前に診断だけでもご相談ください。外側がきれいでも、今回のように中身がまったく別物ということは珍しくありません。当店が状態を正直にお伝えします。

当店の修理現場から

私たちは「直せます」と言うのが仕事ですが、制度上扱えない端末・安全に直せない端末を、無理に触ることはしません。とくに改造端末は、使用者ご本人が電波法に抵触するおそれがあり、バッテリーは発火・膨張の危険と隣り合わせです。今回のように「できないことは、正直にできないとお伝えする」——それがお客様を守り、信頼していただくための、私たちの当たり前の姿勢です。中古で買ったiPhoneの中身が不安、という方は、まずは診断だけでもお気軽にご相談ください。

お客様のひとこと

「ネットで買ったものは信用できない」

※今回の端末をネットで個人から購入されたお客様の言葉です。改造品と知らずに購入されたケースで、注意喚起のため掲載のご了承をいただいています。

用語の解説

技適(技術基準適合証明)

電波を出す機器が国の技術基準に適合していることの証明。iPhoneはこの技適があるため、利用者は免許なしで電波を使えます。登録修理業者以外による「変更の工事」(改造)が行われると、技適マークの表示は取り除く決まりです(電波法第38条の7)。

無線局の開設・無免許運用

電波を出す行為は、電波法上「無線局の運用」にあたります。技適の効力が確認できない端末を電波を発する状態で使うと、免許を受けずに無線局を開設・運用したと評価されるおそれがあり、電波法第110条の罰則(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)の対象になり得ます。

登録修理業者制度

総務大臣に登録した事業者が、登録に係る修理方法・部品で修理し、技術基準への適合を自ら確認して表示を付す制度。適合は端末に永続的に付いて回るのではなく、修理のたびに成立します。当店は登録番号 R000002/T000002 です。

改造・寄せ集め(フランケンシュタイン)端末

複数の個体の部品や規格の合わない部品をつぎはぎして組み立てられた端末。外観はきれいでも中身が純正の組み合わせでないため、制度上・安全上、正規の修理を受けられないことがあります。

SIM改造基板(iSPM など)

SIMまわりに手を加えるために後付けされる、本来のiPhoneには存在しない小さな基板。これが入っていること自体が、端末が改造されている分かりやすい証拠です。

よくあるご質問(改造iPhone・使用者責任・見分け方)

Q. 改造されたiPhoneを使うと、買った人が罰せられるのですか?

はい。電波法は、電波を出した人の責任を問う法律です。日本にお住まいの方が日常的に使う場合、技適の効力が確認できない端末で電波を出せば、免許を受けずに無線局を開設したことになり得て、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)の対象になり得ます。改造した人や売った人ではなく、使っている人が問われます。知らずに買った場合でも、電波を出している主体は使用者です。

Q. 登録修理業者なら、改造端末でも直せるのではないですか?

逆です。登録修理として扱えるのは、当店が登録に係る方法・部品で修理した端末に限られます。技術基準への適合は、修理のたびに登録修理業者が自ら確認して表示を付すことで成立するもので、端末に付いて回るものではありません。すでに第三者の手が入り、工事設計との合致が確認できない端末は、登録修理の対象外です。安全性以前に、制度上お受けできません。

Q. 改造端末かどうかは、買う前に見分けられますか?

SIMトレイの位置で分かる場合があります。iPhone 12〜16(16e含む)は左側、iPhone 4〜11とSE第1〜第3世代は右側、iPhone 17シリーズは物理トレイなし、米国で購入した14以降もトレイなしです。iPhone 15 Pro Maxは、どの国の正規モデルでも左側。出品写真に側面が写っていれば、購入前に確認できます。

Q. アクティベーションロックが残っていると直せますか?

ロックの解除は前の持ち主のApple IDとパスワードが必要で、修理店では解除できません。中古購入時はロック解除済みであることを必ず確認してください。

Q. 中古のiPhoneはどこで買うのが安全ですか?

状態と保証が明示された販売店・ショップでの購入をおすすめします。個人から買う場合は、SIMトレイの位置・アクティベーションロック解除済み・ネットワーク利用制限「◯」を必ず確認してください。

Q. すでに中古で買った端末が不安です。診断だけでもお願いできますか?

はい。診断・お見積りは無料です(分解を伴う診断など費用が発生する場合は着手前にご説明します)。中身が不安、調子が悪いという方は、使い続ける前に状態を正直にお伝えしますのでお気軽にご相談ください。

Q. 断られた端末は、もうどうにもならないのですか?

制度上・安全上お受けできないと判断した場合、当店では無理な作業は行わず、状態のご説明や今後の選択肢のご相談を承ります。安全に対応できない端末は、無理な作業を行わずにご返却します。

Q. なぜ改造されたバッテリーは交換できないのですか?

この端末は、後付けのSIM機構を入れるためにバッテリーが切り欠かれています。新しいバッテリーを入れるには、その新品を同じように切らなければなりません。リチウムイオン電池を切るということは、密閉された電池の中身を開けるということです。内部の絶縁が傷つけば発火し、外装が破れれば中の液が空気と反応します。どんなバッテリーを使っても、切った時点で危険になります。部品の良し悪しの問題ではないため、当店では行いません。

ネットで買ったiPhoneの中身が不安・調子が悪い方へ

使い続ける前に、安全か・制度上扱えるか、まずは診断で正直にお伝えします(大阪・心斎橋/診断・見積り無料/郵送も全国対応)

0120-960-690

月〜金 11:00〜21:00/土日祝 10:00〜21:00(年中無休・予約不要)

料金について

当店は診断・お見積りは無料です(分解を伴う診断など、費用が発生する場合は着手前に必ずご説明します)。安全に修理できると判断した場合のみ、事前にお見積り・ご説明のうえ、ご了承いただいてから作業します。制度上・安全上お受けできないと判断した端末は、無理な作業を行わずにご返却し、状態をご説明します。詳しくは修理料金一覧修理のご案内(特定商取引法に基づく表記)もご覧ください。

この記事の監修
執筆:スマートドクタープロ編集部監修:古賀潤一郎(代表)

スマートドクタープロ(運営:株式会社クレア/法人番号 8120001165987)。総務省登録修理業者(電気通信事業法:T000002/電波法:R000002)・ISO9001:2015認証。基板の電源IC・充電IC・漏電まで診断・修理できる技術力と、年間6万件以上の修理実績をもとに、編集部が作成し、代表・古賀潤一郎(大阪心斎橋本店)が監修しています。

総務省
登録修理業者
電気通信事業法:T000002
電波法:R000002
ISO 9001:2015
年間修理実績
6万件以上
(年間)
掲載情報は公開日時点の内容です。Appleの仕様変更・iOSアップデート・法令改正などに応じて、技術品質管理室が定期的に内容を見直し・更新しています。