総務省「登録修理業者制度」とは? 非登録店との違いと、スマートドクタープロの登録(R000002/T000002)
結論から。スマートフォンは電波を発する機器のため、「誰がどう直したか」が電波法・電気通信事業法に関わります。要点は次の3つです。
- 登録修理業者以外が「変更の工事」にあたる修理を行った端末は、技適マークの表示を取り除く決まりです(電波法第38条の7)。表示が無効になった端末を電波を発する状態で使い続けると、利用者が意図せず電波法に抵触するおそれがあります。
- スマートドクタープロは、制度施行の初期に登録された、店頭型修理店として日本初の総務大臣登録修理業者です(電波法 R000002/電気通信事業法 T000002)。
- この登録番号は、総務省の公開データベースで、どなたでもご自身で確認できます(登録修理業者 登録一覧・検索)。
当店は2009年の開業から大阪・心斎橋で修理を続けており、いまも年間で約60,000件の修理をお預かりしています。このページでは、制度のしくみと、登録店・非登録店で利用者に何が起きるかを、条文にもとづいて整理します。
登録修理業者制度とは何か
登録修理業者制度は、平成26年(2014年)の電波法および電気通信事業法の改正で創設され、2015年(平成27年)4月1日に施行された制度です。スマートフォンのような電波を発する端末を、国が定めた技術基準に適合した状態を保ちながら修理できる体制を整えた事業者が、総務大臣に登録して修理を行います。
登録にあたっては、主に次のような要件があります。
- 修理の方法をあらかじめ定めた修理方法書を届け出ること
- 修理後に技術基準へ適合していることを自ら確認できる体制を備えること
- 修理記録を保存すること
- 修理を行った旨を表示すること
根拠となる法令は、電波法第38条の39以降の規定と、これにもとづく登録修理業者規則です。制度の詳細は、総務省 電波利用ポータルの登録修理業者制度のページで公表されています。
なぜこの制度ができたのか
スマートフォンの普及とともに、メーカー以外の第三者による修理が広がりました。修理そのものは利用者にとって身近で便利な選択肢ですが、一方で、修理後の端末が電波法の技術基準に適合した状態を保てているかが分かりにくくなる、という課題も生じます。
技術基準に適合しない状態の端末が電波を発すると、ほかの無線機器や通信への影響につながりかねません。粗悪な部品や不適切な作業による発熱・不具合の懸念もあります。こうした背景から、修理後も技術基準への適合を確認できる体制を国が確認し、登録する枠組みとして、この制度が設けられました。
登録店と非登録店で、利用者に何が起きるか
ここは正確に理解しておきたい部分です。ポイントは、修理した端末に付される「表示」の扱いにあります。仕組みは二つの層に分かれています。
登録修理業者が修理した場合
登録修理業者は、修理した端末に、自らが修理を行ったことを示す表示を付します。これは登録修理業者規則の様式(別表第8号)にもとづくもので、登録番号(R/Tに続く6桁)を枠で囲み「登録修理」の文字を添えたものです(電波法第38条の44第1項)。
そして、修理方法書に従って修理し、技術基準への適合を自ら確認した端末は、技術基準適合等の表示を引き続き付したまま扱われます(電波法第38条の44第3項)。電波法第2条が定める「適合表示無線設備」の定義には、この第38条の44第3項の表示が含まれています。
つまり、修理後の端末が技術基準に適合していることを法的に担っているのは、登録修理業者が自ら確認し、自らの登録番号(当店の場合はR000002/T000002)で付す表示です。「元の技適マークが自動的に残る」のではなく、登録修理業者が適合を確認して引き受けている、という関係になります。
なお、修理を行っていないのに登録修理業者の表示や紛らわしい表示を付した者は、電波法・電気通信事業法によりそれぞれ50万円以下の罰金の対象となります。また、修理と確認の記録は10年間保存する義務があります(電波法第38条の43第2項)。
登録修理業者以外が修理した場合
登録修理業者以外が「変更の工事」にあたる修理を行った端末は、技術基準適合証明・工事設計認証・技術基準適合自己確認に係る表示を取り除くことが定められています(電波法第38条の7第4項)。
誤解しやすい点を正確に。修理を受けること・修理を行うこと自体が、直ちに違法になるわけではありません。正確には、登録修理業者以外の「変更の工事」が上記の表示除去義務を生じさせる、ということです。表示が取り除かれた端末を電波を発する状態で使い続けると、電波法上の問題が生じるおそれがあります。
修理できる箇所には基準がある
登録修理業者が修理できる箇所は、電波の質に影響を与えるおそれが少ない箇所に限られ、同等の部品を用いる修理によって技術基準に適合しない電波が発射されないことが基準とされています(登録修理業者規則)。そのため登録は機種や修理の箇所ごとに行われ、登録の範囲は事業者ごとに異なります。
スマートドクタープロの登録と品質管理
スマートドクタープロは、電波法にもとづく登録R000002、電気通信事業法にもとづく登録T000002を受けた、店頭型修理店として日本初の総務大臣登録修理業者です。2009年に大阪・心斎橋で開業し、品質マネジメントの国際規格ISO 9001:2015(認証機関:Intertek)の認証も取得しています。登録番号は前述のとおり、総務省の公開データベースでどなたでも確認できます。
修理品質を担保する品質管理試験設備
総務省の登録修理業者として、修理工程・使用部品が端末の電波特性に与える影響を継続的に検証するため、当店ではローデ・シュワルツ社製のハイエンド測定器を品質管理試験設備として完備しています。確かな技術を裏付ける専用設備についてご紹介します。
登録修理業者制度は、登録時に修理方法と測定データの適正を審査する仕組みであり、試験設備の自社保有を一律に求める制度ではありません。当店は2016年より品質管理試験設備を自社保有し、修理工程・使用部品が電波特性に与える影響を継続的に検証する品質管理試験を維持しています。
登録制度と「実際の適合状態」のギャップ——当社の現場から
登録修理業者制度は、修理業者が適切なパーツと手順で修理を行うことを担保する重要な仕組みです。しかし当社では、制度の枠組みを超えた現実的な課題も確認しています。
制度の成立過程に関わらず、現実の端末はソフトウェア更新や個体差により電波特性が変動することが確認されています。当社の測定環境においても、同一機種であっても条件により差分が確認されています。そのため設計ベースの適合だけでは、状態としての適合は担保されているとは言えません。
だからこそ当社では、登録制度の要件を満たすことに加え、修理工程・使用部品が電波特性に与える影響をCMW500で継続的に検証する品質管理試験を維持しています。「登録されているから安心」ではなく、「品質管理を継続しているから安心」を提供することが、当店の品質基準です。
電波は、社会全体で共有する公共の資源です。当店は、電波法・電気通信事業法の枠組みの中で、その電波を正しく使い続けられる状態を保つための修理を行っています。
よくある質問
スマートフォンの修理に資格は必要ですか?登録修理業者でないと修理できないのですか?
スマートフォンの修理そのものに、国家資格や免許が必須というわけではありません。ただし、電波を発する機器の修理では、修理後も技術基準に適合した状態を保てることが電波法上重要になります。総務省の「登録修理業者制度」は、この基準適合を自ら確認できる体制を整えた事業者が国に登録して修理を行う仕組みです。当店(R000002/T000002)はこの登録を受けています。
登録修理業者ではないお店で修理すると違法になりますか?
お客様が修理を依頼すること自体が違法になるわけではありません。注意が必要なのは、登録修理業者以外が「変更の工事」にあたる修理を行った端末は、技適マークの表示を取り除くことが電波法で定められている点です(電波法第38条の7)。技適の表示が無効になった端末を、電波を発する状態で使い続けると電波法に抵触するおそれがあります。
「総務省登録修理業者は意味がない」と聞きましたが本当ですか?非登録店と何が違いますか?
登録修理業者は、修理方法書に従って修理し、修理後も技術基準に適合することを自ら確認できる体制を国に登録した事業者です。登録店が修理方法書に従って修理・確認した端末は、技適マークの表示を継続できます(電波法第38条の44)。一方、非登録店が「変更の工事」を行うと技適表示の除去義務が生じます。修理後も安心して電波を使える状態を保つための仕組みであり、「意味がない」ものではありません。
総務省登録修理業者制度とは何ですか?いつからある制度ですか?
登録修理業者制度は、平成26年(2014年)の電波法・電気通信事業法の改正で創設され、2015年(平成27年)4月1日に施行されました。修理業者が、修理方法書の届出、修理後の技術基準適合の自己確認、修理記録の保存、修理を行った旨の表示などの要件を満たして総務大臣に登録する制度です。
非登録店で修理したiPhoneの技適マークはどうなりますか?
技適マークは、その機器が電波法の技術基準に適合していることを示す表示です。登録修理業者が修理した端末では、登録修理業者が自らの登録番号で付す表示によって適合が示されます(電波法第38条の44)。一方、登録修理業者以外が「変更の工事」を行うと、技術基準適合等の表示を取り除く必要があります(電波法第38条の7)。表示が取り除かれた端末を電波を発する状態で使うと、電波法上の問題が生じるおそれがあります。
スマートドクタープロの登録番号(R000002/T000002)はどこで確認できますか?
当店の登録番号は、電波法にもとづく登録がR000002、電気通信事業法にもとづく登録がT000002です。総務省「登録修理業者 登録一覧・検索」ページで、どなたでもご自身で確認いただけます。登録一覧・検索ページはこちら。
登録修理業者かどうかを見分ける方法はありますか?
登録修理業者が修理した端末には、登録番号(R/Tに続く6桁)を用いた「登録修理」の表示が付されます。事業者の登録番号は、総務省「登録修理業者 登録一覧・検索」ページでどなたでも確認できます。なお、修理を行っていないのに登録修理業者の表示や紛らわしい表示を付すことは電波法・電気通信事業法で禁じられ、50万円以下の罰金の対象です。
登録修理業者なら、どんな機種・どんな故障でも修理できますか?
登録修理業者制度では、登録は機種や修理の箇所ごとに行われる仕組みで、登録の範囲は事業者ごとに異なります。当店の対応機種・対応箇所については、店舗ページの連絡先までお問い合わせください。
iPhoneのバッテリー交換も登録修理業者に頼んだほうがいいですか?
バッテリー交換も、電波を発する端末への作業である以上、修理後に技術基準へ適合した状態を保てるかは重要です。登録修理業者は、この点を確認できる体制のもとで修理を行います。当店ではバッテリー交換も登録制度の枠組みと品質管理のもとで対応しています。
基板修理やデータ復旧も登録修理業者制度の対象ですか?
基板は電波の質に影響しうる部分のため、登録修理業者制度が「修理後も技適の表示を継続できる」としている、電波の質に影響を与えるおそれの少ない箇所(画面・電池・カメラ・ボタン等)とは性質が異なります。基板修理は、こわれた端末から写真や連絡先などのデータを取り戻すこと(データ復旧)を主な目的として行う作業です。復旧後の端末を電波を発する状態で使い続けるかどうかは、電波法上は使用(無線局の運用)の場面の判断になります。当店では、目的とその後の使い方の考え方をご説明したうえで対応しています。詳しくは基板修理・データ復旧のページをご覧ください。
登録修理業者で修理すると、修理後の保証はどうなりますか?
当店では修理後の保証制度を設けています。登録修理業者制度への登録と自社の保証は別の枠組みですが、当店は両方でお客様の安心を担保しています。詳しくは修理保証制度のページをご覧ください。
郵送修理でも登録修理業者の修理を受けられますか?
はい。ご来店が難しい場合は全国郵送修理でも、登録修理業者である当店の修理をご利用いただけます。
登録修理業者なら、どこでも修理後の電波を検査しているのですか?
登録修理業者制度は、修理方法と確認方法の適正を登録時に審査する仕組みで、試験設備の自社保有を一律に求めるものではありません。確認の方法は、事業者ごとの登録内容によります。当店は2016年より品質管理試験設備を自社保有し、修理工程・使用部品が電波特性に与える影響を継続的に検証する品質管理試験を維持しています。
用語集
- 技適マーク
- 無線機器が電波法の技術基準に適合していることを示す表示。スマートフォンにも付されており、登録修理業者以外の「変更の工事」では表示を取り除く必要があります。
- 変更の工事
- 端末の無線設備に手を加える作業のこと。何がこれにあたるかは電波法令で定められており、登録修理業者以外が行うと技適表示の除去義務が生じます。
- 修理方法書
- 登録修理業者が、どの機種をどの手順で修理するかをあらかじめ定めて届け出る書面。技術基準への適合を保つための手順の裏づけになります。
- 登録修理業者
- 修理方法書の届出・技術基準適合の自己確認・修理記録の保存・修理表示などの要件を満たし、総務大臣に登録して修理を行う事業者。
- 電波法
- 電波の公平・能率的な利用を確保するための法律。スマートフォンの修理では、技適表示や技術基準適合の扱いがこの法律に関わります。
- 電気通信事業法
- 電気通信事業の運営や端末設備の基準などを定める法律。登録修理業者制度は、電波法とあわせてこの法律にもとづく登録も対象となります。
当店の修理現場から
当店は2009年の開業から、大阪・心斎橋の店舗と全国郵送修理で修理を続けており、いまも年間で約60,000件の修理をお預かりしています。このページに書いている制度の内容や技適マークの扱いも、こうした日々の修理と、総務省が公表する一次情報にもとづいて整理しています。
実際の修理の様子は修理事例・お客様の声でもご覧いただけます。
このページの監修
スマートドクタープロ(運営:株式会社クレア/法人番号 8120001165987)。総務省登録修理業者(電気通信事業法:T000002/電波法:R000002)・ISO9001:2015認証。年間6万件以上の修理実績をもとに、編集部が作成し技術品質管理室が内容を監修しています。
登録修理業者電気通信事業法:T000002
電波法:R000002

6万件以上(年間)