キャリアのデータ復旧に出す前に|約款の「返却しない」を読んでください

キャリアの「データ復旧」に出す前に、約款のこの一行を読んでください

スマホが壊れたら、まずキャリアショップへ——多くの方の自然な行動です。その前に、知っておくべき一行があります。

サポート会員から当社等へ送付されたデータ復旧サポート対象端末については、当社等は、データ復旧の可否にかかわらず、サポート会員へ返却しないものとします。

――au「故障紛失サポート」規定 第9条(KDDI公式約款・2020年3月24日版

復旧できてもできなくても、端末は戻りません。そして端末が戻らないということは、基板修理という最後の選択肢が、その瞬間に永久に消えるということです。

この一行は、auだけのものではありません。調べた結果、ドコモ・au・ソフトバンクの3社すべてが、データ復旧サービスに出した端末を、復旧の成否にかかわらず返却しない・廃棄処分すると公式資料に明記していました。

本記事に書かれた事実には、すべて出典リンクが付いています。当店の言葉を信じる必要はありません。リンクを押して、約款と公式ページを、ご自分の目でお確かめください。

📞 0120-960-690(出す前のご相談無料/基板診断7,700円税込)
[来店:心斎橋駅3分 → /shinsaibashi.html][全国郵送 → /post_repair/


結論:キャリアが悪いのではない。「順番」がすべてです

キャリアのデータ復旧サービスに出すこと自体は、選択肢の一つです。ただし条件があります——それが最後の手段だと理解したうえで出すこと。

暗号化された現代のスマホからデータを取り出す道は、端末を修理して起動させること、ただ一つです(詳しくは「復旧率95%」のカラクリで解説しています)。端末が分解処分されれば、その道は物理的に消滅します。だから、データを最優先するなら順番はこうなります:基板レベルの診断が先。分解処分を伴うサービスは後。 逆にすると、戻ったはずのデータが戻らなくなることがあります。


約款のその一行(au)

auの「故障紛失サポート」の規定(第9条)には、データ復旧サポートについてこう書かれています。「サポート会員から当社等へ送付されたデータ復旧サポート対象端末については、当社等は、データ復旧の可否にかかわらず、サポート会員へ返却しないものとします」(出典:KDDI 故障紛失サポート規定・2020年3月24日版)。

公式ページにも明記されています——お送りいただいた端末は復旧成否にかかわらず廃棄・リサイクルされること、復旧可能なデータは電話帳・写真・動画のみであること(出典:au データ復旧サポート公式ページ)。au公式ページはさらに、初期化・削除したデータ、および水濡れ以外の原因による電源投入不可の端末は対象外としています。落下や圧壊で起動しなくなった端末は、そもそもこのサービスの受付範囲外です。約款も「データの取出しの成功を保証するものではありません」と明記しています。

交換サービスも同じ構造です。交換用電話機を受け取ると壊れた端末は回収され、返却できないため、「データのバックアップ・移行・消去などは事前にお客さまご自身で」と案内されています(出典:au 故障紛失サポート 補償内容ページ)。つまり、交換を申し込んだ時点で、その端末のデータの運命は確定します。

なお、フェアに書き添えます。auの会員制サポートには、外部のデータ復旧専門会社を優待価格で紹介する導線も存在します。同じ会社の中に、廃棄前提の自社サポートと、外部専門会社への紹介という二つの窓口があるのです。どちらに案内されたかで、端末の運命は変わります。


3社の公式資料を並べる

ドコモ(ご注意事項):「復旧作業の実施過程で携帯電話端末の分解などを行うため、お預かりした携帯電話端末のご返却には応じられません」(出典:ドコモ ケータイデータ復旧サービス ご注意事項/参照日2026-07-22)

au(故障紛失サポート規定):「データ復旧の可否にかかわらず、サポート会員へ返却しないものとします」(出典:KDDI 故障紛失サポート規定/参照日2026-07-22)

ソフトバンク(メモリーデータ復旧サポート):「水濡れ・水没・破損」で電源が入らなくなった端末は「データ復旧の成否にかかわらず廃棄処分されます」(出典:ソフトバンク メモリーデータ復旧サポート/参照日2026-07-22)

三社三様の表現で、同じことが書かれています。出した端末は、戻りません。


三社三様+Appleの答え合わせ

Appleドコモauソフトバンク「復旧率」表示の業者
データ喪失への答え復旧を売らない。予防を設計で標準化復旧サービス提供復旧サポート提供メモリーデータ復旧サポート提供「復旧率◯%」で集客
成功率の扱い復旧を約束しない非公開非公開・「成功を保証しない」と約款明記非公開表示→差止・訴訟を経て内訳表示へ
端末の扱い修理・交換規約を明示分解のため返却に応じられない(公式明記)約款で「返却しない」・廃棄リサイクル成否にかかわらず廃棄処分(公式明記)返却拒否等の相談事例
復旧対象連絡先・画像・動画等(LINE・アプリ対象外)電話帳・画像・動画のみ電話帳・静止画・メール等(機種間で差・アプリ対象外)案件による

見えてくる構図はこうです。データに対して最も一貫しているのはApple——復旧を売らず、「データはあなたの責任。だから道具(iCloud)は自動にした」という設計で答えている。ドコモ・au・ソフトバンクの3社は、いずれも復旧サービスを提供していますが、出した端末は成否にかかわらず戻らない点で共通します。LINEやアプリのデータが対象に含まれない点も、各社共通の限界です。


なぜ「順番」がすべてなのか

第1弾の記事で解説したとおり、暗号化スマホのデータは、端末を起動できれば戻り、できなければ戻らない構造です。つまりデータ復旧とは「端末というコインの表裏を、診断で読む」作業です。

分解処分は、コインを見る前に捨てる行為です。基板の損傷が電源ICやコネクタなど修復可能な箇所であれば、基板修理で起動を取り戻し、LINEもアプリも含めて全データがそのまま戻ったはずの端末——それが、電話帳・写真・動画だけを対象とするサービスの過程で分解される。当店には「キャリアで復旧できないと言われた後」ではなく「出す前」に来ていただいたことでデータを守れた事例が実際にあります(→修理事例一覧)。

繰り返しますが、キャリアのサービスが悪いのではありません。順番を知らされないまま最初の窓口に出してしまうことが問題なのです。


免許事業者の売り場に、この一行はどこに書いてあるか

携帯キャリアは、電波という公共財の割当てを受けて事業を行う、公共性の高い事業者です。当店もまた、同じ総務省の制度の傘の下にいる登録修理業者(登録番号 R000002/T000002)として、自らにルールを課してきました——成功率を約束しない。復旧できなかった事例も公開する。お預かりした端末は、必ずお返しする。

だからこそ、同じ制度の重みを知る者として問いたいのです。「復旧の可否にかかわらず返却しない」という、データの運命を決める一行は、申込みの画面の、どこに、どの大きさで書かれているでしょうか。約款の奥ではなく、「取り出せます」という案内と同じ場所に書かれるべき一行ではないでしょうか。これは違法性の指摘ではありません。公共性の高い売り場への、一人の登録修理業者からの問いかけです。


出す前に、この5つを確認してください

  1. 端末は戻ってきますか?(約款・規定のどこに書いてありますか)
  2. 復旧できるデータの種類は?(LINE・アプリデータは対象ですか)
  3. 成功率と、その定義は?
  4. 復旧できなかった場合の費用は?
  5. このサービスで復旧できなかった場合、その後に基板修理を試す選択肢は残りますか?

5番に「いいえ」の答えが返ってきたら——それが最後の手段だという意味です。順番を考えてから、決めてください。

📞 迷ったら、出す前にご相談ください:0120-960-690


よくあるご質問

キャリアのデータ復旧サービスは使わない方がいいのですか?
そうではありません。ただし多くの場合、端末は復旧の成否にかかわらず返却されず、分解・廃棄処分されます(au・ドコモ・ソフトバンクとも公式資料に明記)。その後に基板修理を試す道は残りません。基板レベルの診断を先に、分解処分を伴うサービスを後に——順番だけ間違えないでください。
キャリアで「復旧できない」と言われました。もう無理ですか?
端末がまだ手元にあるなら、可能性は残っています。原因が電源IC・コネクタ・断線など修復可能な箇所なら、基板修理で起動を取り戻しデータを残せる場合があります。端末を渡してしまう前に、一度ご相談ください。
キャリアのサービスで戻るデータと、基板修理で戻るデータは違うのですか?
違います。公式案内では、復旧対象は電話帳(連絡先)・写真・動画など一部のデータに限られます(ドコモ・au公式資料)。基板修理で端末そのものを起動できた場合は、LINEのトーク・アプリのデータを含め、端末内の全データがそのままの状態で戻ります。この「0か1」の仕組みは「復旧率95%」のカラクリで詳しく解説しています。
補償で新しい端末に交換してもらう予定です。データはどうなりますか?
交換用端末を受け取ると、壊れた端末は回収され返却されません。auは「バックアップ・移行・消去は事前にご自身で」と案内しています。バックアップが取れない状態(起動しない等)なら、交換を申し込む前にデータ取り出しの可否を診断するのが安全な順番です。
ソフトバンクにもデータ復旧サービスはありますか?
はい、「メモリーデータ復旧サポート」が提供されています。ただし公式案内には、水濡れ・水没・破損で電源が入らなくなった端末はデータ復旧の成否にかかわらず廃棄処分されると明記されています。復旧対象も電話帳・静止画・メールなど一部に限られ、アプリのデータは対象外です。申し込む前に、基板修理でのデータ取り出しの可否を確認する順番をおすすめします。
出す前の診断は、いくらでどこまで分かりますか?
基板診断7,700円(税込)で、損傷部位とデータ取り出しの可否をご報告します。電話・店頭での事前相談と料金目安のご案内は無料です。来店(心斎橋駅3分・予約不要)と全国郵送に対応しています。

用語集

約款
サービス提供の条件を定めた契約文書。データ復旧サービスでは端末の返却の有無・復旧対象データ・免責が定められている。
分解処分
預かった端末を分解しリサイクルに回すこと。実施後は基板修理を含む一切の再挑戦が不可能になる。
登録修理業者
電波法に基づき総務大臣の登録を受けた修理業者。当店はR000002/T000002。
基板修理
端末そのものを起動可能な状態へ戻す修理。暗号化端末からデータを取り出す唯一の経路。
このページの監修
執筆:スマートドクタープロ編集部技術監修:スマートドクタープロ 技術品質管理室

スマートドクタープロ(運営:株式会社クレア/法人番号 8120001165987)。総務省登録修理業者(電気通信事業法:T000002/電波法:R000002)・ISO9001:2015認証。年間6万件以上の修理実績をもとに、編集部が作成し技術品質管理室が内容を監修しています。

総務省
登録修理業者
電気通信事業法:T000002
電波法:R000002
ISO 9001:2015
年間修理実績
6万件以上
(年間)
掲載情報は公開日時点の内容です。Appleの仕様変更・iOSアップデート・法令改正などに応じて、技術品質管理室が定期的に内容を見直し・更新しています。